ブリーフセラピーとは?

◆エリクソンの影響を受けた、効率的・効果的なセラピー

“ブリーフ”とは、直訳すると効率的・効果的という意味になります。したがって、ブリーフセラピーとは、短期間で効果的な成果が生まれる心理療法を指します。実際には、アメリカの著名な心理療法家であるミルトン・エリクソンの影響を受けて生まれた効率的・効果的なセラピーをブリーフセラピーと呼んでいます。


◆気づかなくても変化が起きるエリクソンのアプローチ

ミルトン・エリクソンは、アリゾナ州の臨床医でした。地方の一臨床医にもかかわらず、とてもユニークで有効な心理療法をしていました。セラピーだけでなく、セミナーも非常にユニークなものでした。彼のセミナーは、わざとわかりにくい話、つじつまが合わない話をします。すると、受講者は混乱し、軽いトランス状態に入ります。

その状態でメタファーを語り、間接暗示を相手の無意識に伝えます。受講者はエリクソンが何をしたのかわかりません。弟子達が半年から一年ほど経過してから追跡調査をすると、受講者の多くが以前よりも元気になっていたり、課題だった人間関係が解決していたり、充実した生活を送っていたりしていたのです。相手に気づきを与えなくても人は好ましい変化が起きるのです。


◆ブリーフセラピーはコーチングの限界を越える

コーチングのページで「コーチングは気づきを促す」と書きましたが、気づきにはリスクがあります。たとえば、上司との人間関係が根本的な問題だと気づいたとします。そして、改善するためにまずは目を見てあいさつをしようと、小さな行動を決意します。ところが翌日の朝、上司の顔を見たら息が詰まり、以前に対立したときのなんともいえない不快感がよみがえりました。このように人は無意識のうちに反応してしまうのです。こういう反応が起きると、意識して改善しようとしても難しくなります。

エリクソンは、無意識が人を動かしていることを熟知していました。そこで、気づきを与えたり、相手を説得させるような意識レベルのアプローチではなく、相手の無意識とコミュニケーションをとりながら影響を与えるさまざまな手法を開発しました。たとえば、先の例にあげたセミナーでは混乱技法というトランス誘導が使われたのです。

エリクソンの名声が全米に広がり、多くの弟子達がエリクソンから学びました。そして、NLP(神経言語プログラミング)、エリクソン・モデル、ストラテジック・モデル、MRI、BFTC、可能性療法など、効果的な心理療法がいくつも生まれました。これらを総称してブリーフセラピーと呼んでいます。

従来のコーチングではどうしても限界があります。その限界を乗り越えるために、ブリーフセラピーが有効なのです。

※エリクソンから生まれた一連のセラピーに加えて、TFT(思考場療法)、EMDR(眼球運動による脱感作療法)などを含めてブリーフセラピーということがあります。

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